本質的な治療院経営ノウハウを身につけたい先生のための、

完全自費の治療院でも自賠責保険の患者さまを受け入れることはできるのか?

開業準備中の方からのご質問をいただきました。

「完全自費の治療院で、交通事故による
 自賠責保険の患者さまを受け入れることは可能でしょうか?」

といった内容です。

自賠責保険が利用できるかどうかは「保険会社の判断次第」になってきます。

「接骨院だから自賠責保険が利用できる」というルールはありませんし、逆に整骨院ではなくても利用できるケースもあります。

通常であれば、接骨院・整骨院としての設置届けを出していれば、実際には完全自費の治療院であっても、自賠責保険の患者さまを受け入れることは可能です。

ただし、保険会社によって随分と対応が変わってくるのが現状です。今では整骨院であってもNGとなるケースが多数発生しています。

ですので、自賠責患者の受け入れを検討しているのであれば、保険会社次第、ひいては「保険会社のエリア担当者次第」ということを覚えておくできでしょう。

また、自賠責保険を検討しているのであれば他にも知っておくべきことがあります。

自賠責保険は基本的には人身事故に対して適応されるものです。

では、国内の交通事故による人身事故がどの程度発生しているのかと言うと、今から十数年前までは、年間で約120万件でした。

ところがこの10年で、人身事故件数は60万件を下回るようになりました。今までの半分以下です。

今後も、交通規制や交通ルールの変更、道路や車両の改良によって、人身事故件数は加速的に減ることが目に見えています。

加えてもう一つ知っておくべきことは、「交通事故患者を広告で集客することは法律違反だ」ということです。摘発もすでに始まっていますので、この点もあらかじめ知っておくべきでしょう。

相談者の方は開業前だということですので、開業にあたって「患者さんが縮小していくマーケット」を重視するのか、「今後もたくさんの患者さんが存在するマーケット」を重視するのか、今のうちによく考えておいてください。

保険治療や自賠責は、先生の努力以上に外部環境に左右されてしまいます。

行政の対応や保険会社の対応、医師会の対応ひとつでこれらのマーケットが急に縮小してしまう可能性があるのです。

従って、こういった外部要因に依存しない治療院づくりを、ぜひとも考えていただきたいと思います。

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