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患者に聞いてはいけない質問とは?

2018.06.12

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医療の現場において、患者への問診、つまり患者の状況や具体的な症状について質問していくことは不可欠です。当然これは、治療院経営でも同様のことが言えます。

先生は「聞くべき質問」と「聞くべきでない質問」を正しく認識できていますか?

実は、質問の中にも、「聞くべき質問」と「聞くべきではない質問」が存在します。

そして、「聞くべきではない質問」。こちらは本当に注意しなければいけません。

たった1つの質問が患者に不信感を与えてしまい、治療の離脱を招く原因になることもあるのです。

今回は、代表的な「聞くべき質問」と「聞くべきでない質問」の例を踏まえながら解説していきます。

参考にしてみてください。

・患者を有効で正しい治療に導く質問とは?

初診時の問診は、もっとも重要な要素のひとつです。

予診票(問診票)などを用いて、

・氏名
・性別
・生年月日
・住所
・連絡先
・職業
・来院したきっかけ

などを聞いていくほか、

・今現在の一番の悩み(主に痛みに関すること)は何か?
・その悩みはいつから発生しているのか?
・特に症状がひどいのはどのような時か?
・それ以外に問題に感じていることはあるか?

など、具体的な身体の状態についても質問していきましょう。

・日常生活に関して質問する

・過去の治療履歴や既往歴
・現在服用中の薬、嗜好品、サプリメントはなにか

ということについて質問することも重要です。

さらに、

・大量に喫煙していないか
・お酒を大量に飲む習慣がないか
・睡眠時間はしっかり取れているか
・バランスのとれた食生活をしているか
・適度な運動習慣があるか
・身体負荷の大きい仕事ではないか

など、日常生活に症状の原因がないかも確認していく必要があります。

というのも、上記に当てはまる患者は、比較的痛みが取れにくく治療計画通りにいかない可能性があるからです。

もし、患者の日常生活に改善の余地があれば、それらも解消していく指導を行うようにしましょう。

直接的な施術ではありませんが、症状の根本的原因の解決に繋がる場合もあります。疎かにしないよう肝に銘じておいてください。

・患者に聞くべきではない質問とは?

一方、聞くべきではない質問というものも存在します。

・保険治療だけを望むのか、自費治療も受けるのか。
・痛みの治療だけでいいのか、根本的な治療を望むのか。
・どれくらいの頻度で通院することができるか。
・治療にはどれだけの予算がかけられるか。

などなど。

当たり前のように使っている先生も少ないかもしれませんが、治療院においては絶対に聞くべきではない質問です。

これらの質問は、治療院の原理原則から大きく逸脱してしまっている質問です。

実際にこれらの質問をしてしまっている院では、患者が

「今日は腰が痛いので、腰中心にお願いします」

や、

「今日は肩を長めに揉んでください」

など、治療方針を治療家ではなく、患者のほうが決めてしまうケースがあります。

治療内容の決定を患者が行い、施術者はそれに従って「作業」をする。

こうなってしまうと、もうこれは治療院ではなく、リラクゼーションサロンの領域です。

治療院というのは、あくまで治療家が、プロとしての見地に立って治療内容を決定していく場所です。

上記に挙げたような「聞くべきでない質問」は、このような治療院としての原則原理を根底から揺るがします。

このような事態を防ぐために、治療家は、「聞くべき質問」と「聞くべきではない質問」をしっかりと理解し、それに従って問診を行っていくべきなのです。

・「どうですか?」「今日はいかがですか?」もNGな質問である

以上の「聞くべきではない質問」の他に、私が口を酸っぱくして言っている”NGな質問”があります。

それは、「どうですか?」「今日はいかがですか?」と質問することです。

治療前であっても治療後であっても、患者に対して「どうですか?」「今日はいかがですか?」と聞いてはいけません。

目まいや頭痛・痛み等で悩んでいる人を例に挙げてみます。

こういった症状は、毎日一定ではありません。ある日突然出たり無くなったり、また緩やかに出てきたり無くなったりするものです。

当日に「痛みが我慢できないから本日どうしても診て欲しい」と言ってきた患者であっても、治療院のドアを開けると症状が軽くなってしまった……というケースもあります。

従って、「どうですか?」「今日はいかがですか?」といった質問は、一時的な症状に関する質問でしかなく、根本的な治療や治療効果とは全く関係のない、無意味な質問でしかないのです。

・まとめ:質問1つであっても侮ってはいけない

治療院では当たり前のように使われている質問も、ひとつ間違えれば患者との信頼関係を崩してしまうきっかけになってしまいます。

正しい質問と間違った質問をしっかりと理解し、患者さんを正しい方向に導く問診と治療を心がけるようにしてください。

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